対面キッチンにリノベーションできる?人気のレイアウトと注意点
著者:リプラス編集部
名古屋を拠点に、リノベーション・リフォーム・不動産・設計・デザイン・施工までをワンストップで手がける株式会社リプラスの編集チーム。
一級建築士事務所(SDA)やデザイン事業部「THE DAY STACK」と連携し、現場・設計・デザインの実務に基づいた知見をもとに、名古屋での住まい選びやリノベーションに役立つ情報を発信しています。
<この記事のトピックス>
・対面キッチンへのリノベーションはできる?
・壁付けキッチンから対面キッチンへ変更する条件
・人気の対面キッチンレイアウト
・アイランド・ペニンシュラ・Ⅱ型の違い
・対面キッチンのメリット・デメリット
・キッチン移動で確認したい排水・換気
・マンションリノベーションの注意点
・キッチンとダイニングのレイアウト
・後悔しないキッチン計画のポイント
「今の壁付けキッチンを、対面キッチンに変えたい」
リノベーションの相談で多い希望の一つが、「対面キッチンにしたい」というものです。
料理をしながら家族と会話したい。
子どもの様子を見ながら料理したい。
LDKをもっと開放的にしたい。
キッチンもインテリアの一部としてデザインしたい。
そんな理由から、壁付けキッチンや独立型キッチンを対面式へ変更したいと考える方は少なくありません。
では、マンションや中古住宅のリノベーションで、キッチンを自由に対面式へ変更できるのでしょうか。
結論から言えば、物件の条件によっては可能です。
ただし、キッチンは単純に設備を移動すればよいわけではありません。
排水。
給水・給湯。
換気。
ガス。
電気。
床下。
天井。
間取り。
こうした条件を確認しながら計画する必要があります。
今回は、対面キッチンへリノベーションするときの人気レイアウトやメリット、注意点について解説します。
対面キッチンとは?
対面キッチンとは、キッチンに立ったときに、リビングやダイニング側を向いて料理できるレイアウトのことです。
一般的な壁付けキッチンでは、壁を向いて調理することになります。
一方、対面キッチンでは、
料理をしながら家族と会話する。
リビングのテレビを見る。
子どもの様子を確認する。
ダイニングと料理を受け渡す。
といったことがしやすくなります。
LDK全体の一体感をつくりやすいことも、対面キッチンの大きな特徴です。
壁付けキッチンから対面キッチンへ変更できる?
現在のキッチンが壁付けでも、条件によっては対面キッチンへ変更できます。
例えば、
壁付けキッチン
↓
ペニンシュラキッチン
壁付けキッチン
↓
アイランドキッチン
独立キッチン
↓
LDKとつながる対面キッチン
といったリノベーションです。
ただし、「スペースがあるから移動できる」というほど単純ではありません。
特に重要になるのが、
排水と換気
です。
キッチン移動で最も重要な「排水」
キッチンには、水を流すための排水管があります。
キッチンを移動する場合、この排水管を新しい位置まで延長する必要があります。
排水は水を自然に流すため、
一定の勾配
が必要です。
そのため、キッチンを既存の排水管から大きく離す場合、
床下に十分なスペースがあるか。
排水勾配を確保できるか。
配管ルートを確保できるか。
などを確認しなければなりません。
キッチンは「どこにでも移動できる」わけではない
マンションの場合、排水管の位置や床構造によっては、キッチンの移動範囲が限られることがあります。
例えば、
「窓側へ大きくキッチンを移動したい」
「部屋の反対側へキッチンを持っていきたい」
という希望があっても、排水条件によって難しい場合があります。
だからこそ、
対面キッチンにできるかどうかは、現地調査をして判断することが重要です。
換気ダクトも重要
もう一つ確認したいのが、レンジフードの換気です。
キッチンでは、調理時の煙やにおいを屋外へ排出するため、換気ダクトが必要になります。
キッチンを移動すると、この換気ダクトのルートも変更しなければならない場合があります。
そのため、
天井裏にダクトを通せるか。
梁などに干渉しないか。
既存の排気位置まで接続できるか。
といった確認が必要です。
場合によっては、天井の一部を下げてダクトスペースを確保することもあります。
対面キッチンの人気レイアウト①|ペニンシュラキッチン
対面キッチンで人気が高いのが、ペニンシュラキッチンです。
ペニンシュラとは「半島」という意味で、キッチンの片側が壁に接しているレイアウトを指します。
アイランドキッチンよりも省スペースで設置しやすく、マンションリノベーションでも採用しやすいタイプです。
ペニンシュラキッチンのメリット
ペニンシュラキッチンには、
・LDKとの一体感をつくりやすい
・開放感がある
・アイランドより省スペース
・家族と会話しやすい
・ダイニングへの配膳がしやすい
といったメリットがあります。
対面キッチンにしたいけれど、「LDKがそこまで広くない」という場合にも検討しやすいレイアウトです。
対面キッチンの人気レイアウト②|アイランドキッチン
アイランドキッチンは、壁から離して独立させたキッチンです。
名前のとおり、キッチンが「島」のように配置されます。
デザイン性が高く、LDKの主役になるようなキッチンをつくりたい方に人気があります。
アイランドキッチンの魅力
アイランドキッチンでは、キッチンの周囲を回遊できるため、
複数人で料理する。
左右どちらからでもキッチンへ入る。
ダイニングとの行き来をしやすくする。
といったことができます。
家事動線をうまく計画すると、非常に使いやすいレイアウトになります。
アイランドキッチンには広さが必要
一方で、アイランドキッチンはキッチンの両側に通路を確保する必要があります。
そのため、LDKの広さや形によっては、無理にアイランド型にすると、
ダイニングが狭くなる。
通路幅が狭くなる。
収納量が減る。
といった問題が起こることがあります。
「アイランドにしたい」ではなく、「アイランドにすることで暮らしやすくなるか」を考えることが大切です。
対面キッチンの人気レイアウト③|Ⅱ型キッチン
Ⅱ型キッチンとは、
シンク側。
コンロ側。
を2列に分けて配置するキッチンです。
例えば、
リビング側にシンク。
壁側にコンロ。
という配置です。
このレイアウトは作業スペースを確保しやすく、キッチン全体をコンパクトにまとめやすいという特徴があります。
Ⅱ型キッチンのメリット
作業動線が短い。
収納量を確保しやすい。
対面キッチンの開放感をつくりやすい。
コンロを壁側に配置できる。
などのメリットがあります。
ただし、シンクとコンロの間を移動するため、床に水滴が落ちやすいなど、使い方によって注意したい点もあります。
対面キッチンの人気レイアウト④|腰壁のある対面キッチン
キッチンを完全に見せるのではなく、腰壁を設ける方法もあります。
例えば、
シンクの手元を隠す。
キッチン家電を見えにくくする。
生活感を抑える。
コンセントを設ける。
といった目的で腰壁をつくります。
フルフラットの対面キッチンよりも、キッチン内部を隠しやすいのが特徴です。
フルフラットと腰壁、どちらがいい?
対面キッチンでは、
フルフラットタイプ
と、
腰壁をつくるタイプ
で悩む方も多いでしょう。
フルフラットタイプは、LDKとの一体感があり、非常にすっきり見えます。
一方で、
洗剤。
スポンジ。
調味料。
食器。
などがリビング側から見えやすくなります。
腰壁があれば手元を隠しやすいため、
「キッチンを見せたいか、生活感を少し隠したいか」で考えてみましょう。
対面キッチンのメリット①|家族とのコミュニケーション
対面キッチンの大きなメリットは、家族とのコミュニケーションを取りやすいことです。
料理をしながら、
リビングにいる家族と話す。
子どもの宿題を見る。
テレビを見る。
来客と会話する。
といったことができます。
キッチンが単独の作業場所ではなく、
家族が集まるLDKの一部
になります。
対面キッチンのメリット②|LDKに開放感が生まれる
独立したキッチンの壁を取り払い、対面式にすると、LDK全体を一つの空間として見せやすくなります。
視線が奥まで抜けることで、同じ面積でも広く感じる場合があります。
特に、中古マンションでは、
「キッチンだけが閉じている」という昔ながらの間取りもあります。
そこをリノベーションによってLDKへつなげることで、空間の印象を大きく変えられることがあります。
対面キッチンのメリット③|キッチンをデザインの一部にできる
対面キッチンは、リビングやダイニングからよく見えます。
つまり、
キッチンそのものがインテリアの一部になる
ということです。
例えば、
キッチン扉の色。
天板。
タイル。
照明。
水栓。
レンジフード。
背面収納。
などを空間全体と合わせて計画することで、LDKの主役になるキッチンをつくることができます。
キッチンだけで考えない
おしゃれな対面キッチンをつくるためには、キッチン本体だけを選ばないことが大切です。
例えば、
床。
壁。
天井。
ダイニングテーブル。
照明。
建具。
家具。
まで一緒に考えます。
キッチン単体がおしゃれでも、周囲の素材や家具と合っていなければ、空間全体としてまとまりにくくなります。
「キッチンをデザインする」のではなく、「キッチンのある空間をデザインする」。
この考え方が重要です。
対面キッチンのデメリット①|生活感が見えやすい
対面キッチンは開放的な一方で、リビングからキッチン内部が見えやすくなります。
洗い物。
調味料。
家電。
ゴミ箱。
食品。
などが目に入りやすくなります。
そのため、対面キッチンでは収納計画が非常に重要です。
背面収納・パントリーまでセットで考える
対面キッチンに変更する場合は、
キッチン本体だけでなく、
背面収納やパントリー
まで一緒に考えることをおすすめします。
例えば、
炊飯器。
電子レンジ。
トースター。
食器。
食品ストック。
ゴミ箱。
など、キッチンには多くのものがあります。
どこへ何を収納するのかを事前に整理することで、完成後もすっきりとしたキッチンを保ちやすくなります。
対面キッチンのデメリット②|におい・油が広がりやすい
キッチンとLDKがつながることで、料理のにおいや油がリビング側へ広がりやすくなる場合があります。
そのため、
レンジフード。
換気。
キッチン周辺の素材。
掃除のしやすさ。
なども考慮しておきましょう。
アイランドキッチンの場合は、コンロ前に壁がないため、油はね対策としてガラスパネルを設置する方法もあります。
対面キッチンのデメリット③|通路幅が必要
キッチンの使いやすさを左右するのが、通路幅です。
特に、
キッチンと背面収納の間。
キッチン横の通路。
ダイニングとの距離。
をしっかり確認する必要があります。
通路が狭すぎると、
引き出しを開けたときに通れない。
複数人でキッチンを使いにくい。
冷蔵庫を開けると通路を塞ぐ。
といった問題が起こります。
逆に広すぎると、移動距離が長くなり作業しにくいこともあります。
冷蔵庫の位置は最初に考える
対面キッチンの間取りを考えるとき、意外と重要なのが冷蔵庫の位置です。
冷蔵庫は、
料理をする人。
家族。
子ども。
全員が使います。
そのため、冷蔵庫をキッチンの奥に配置すると、飲み物を取りに来た家族と料理する人の動線が重なることがあります。
例えば、
キッチン入口付近に冷蔵庫を配置する。
パントリーと冷蔵庫を近づける。
といった方法もあります。
ダイニングテーブルとの位置関係を考える
対面キッチンでは、ダイニングテーブルとの関係も重要です。
一般的には、
キッチンの正面にダイニング。
キッチンの横にダイニング。
などの配置があります。
横並びダイニングも人気
最近のリノベーションでは、キッチンとダイニングテーブルを横並びにするレイアウトも人気があります。
料理をそのまま横へ運べる。
食べ終わった食器をキッチンへ戻しやすい。
配膳・片付けの距離が短い。
など、家事動線が良くなります。
一方で、横方向にある程度の長さが必要になるため、部屋の形によっては採用しにくい場合があります。
コンセント計画も忘れない
対面キッチンを計画するときには、コンセントの位置も重要です。
例えば、
ミキサー。
電気ケトル。
ホットプレート。
スマートフォン。
タブレット。
ダイニングで使う家電。
などがあります。
完成してから、
「ここにコンセントがあればよかった」
とならないように、キッチンでどんな家電を使うか事前に確認しておきましょう。
キッチン照明も一緒に考える
キッチンのデザインを考えるなら、照明も欠かせません。
例えば、
キッチンにはダウンライト。
ダイニングにはペンダントライト。
キッチン背面には間接照明。
カウンター上に小型のペンダント。
など、複数の照明を組み合わせることができます。
ただし、照明器具をたくさん付ければよいわけではありません。
どこで作業するのか、どこを見せたいのか
を考えて照明を配置しましょう。
キッチンの床材はどうする?
キッチンでは、水や油が飛ぶことがあります。
そのため、
フローリング。
フロアタイル。
タイル。
天然リノリウム。
など、それぞれの素材のデザイン性だけでなく、清掃性やメンテナンス性も考えることが大切です。
例えば、LDK全体を同じ床材にして一体感を出す方法もあれば、キッチン部分だけ素材を切り替えてアクセントにする方法もあります。
マンションの場合は管理規約も確認する
マンションリノベーションの場合は、キッチン移動だけでなく、管理規約も確認する必要があります。
マンションによっては、
工事可能時間。
床材の遮音性能。
設備工事。
配管工事。
工事申請。
などについてルールが定められています。
希望するリノベーションが可能かどうか、購入前・設計前に確認しておきましょう。
対面キッチンで後悔しやすいポイント
対面キッチンへのリノベーションでよくある後悔としては、
① 通路が狭かった
② 収納が足りなかった
③ リビングから生活感が丸見えになった
④ コンセントが足りなかった
⑤ ダイニングとの距離が使いにくかった
⑥ 冷蔵庫の位置が悪かった
⑦ キッチンだけを見て決めてしまった
などがあります。
対面キッチンは、設備だけではなく、
LDK全体の間取りとして考えることが重要です。
「対面にすること」が目的にならないようにする
対面キッチンは人気があります。
しかし、すべての住まいで対面キッチンが正解とは限りません。
例えば、壁付けキッチンは、
LDKを広く使いやすい。
ダイニングテーブルを自由に配置しやすい。
コンパクトな住まいと相性が良い。
というメリットがあります。
つまり、
対面キッチン=優れている
ではありません。
大切なのは、
どんな料理をするのか。
何人でキッチンを使うのか。
家族とどう過ごしたいのか。
LDKをどう使いたいのか。
という暮らし方です。
キッチンの「形」ではなく暮らしから考える
例えば、
「料理をしながら家族と話したい」
のであれば、対面キッチンが向いているかもしれません。
「LDKをできるだけ広く使いたい」
のであれば、壁付けキッチンの方が良い場合もあります。
「夫婦で料理することが多い」
のであれば、Ⅱ型キッチンや回遊できるアイランド型が使いやすい場合があります。
「生活感をできるだけ見せたくない」
のであれば、腰壁やパントリーを組み合わせる方法があります。
まず暮らしを考えて、その後にキッチンの形を決める。
この順番が大切です。
中古マンション購入前にキッチン移動を確認する
中古マンションを購入して、
「絶対に対面キッチンにしたい」という希望がある場合は、購入前に確認することをおすすめします。
なぜなら、
排水管。
換気ダクト。
構造。
梁。
床下。
管理規約。
などによって、希望の位置へキッチンを移動できない可能性があるからです。
物件を決めてからではなく、決める前に。
希望するリノベーションができる物件なのかを確認することが大切です。
リプラスならキッチン移動から空間全体まで相談できる
対面キッチンへのリノベーションでは、
デザインだけでなく、
排水。
給水・給湯。
電気。
ガス。
換気。
天井。
床。
構造。
施工。
まで考える必要があります。
リプラスでは、
不動産
一級建築士事務所(SDA)
デザイン事業部「THE DAY STACK」
施工
が連携し、物件探しから設計・デザイン・施工までワンストップで対応しています。
そのため、
「この中古マンションを対面キッチンにできる?」という購入前の段階からでもご相談いただけます。
まとめ|対面キッチンは「LDK全体」で考える
対面キッチンへのリノベーションは、物件の条件によっては可能です。
人気のレイアウトには、
ペニンシュラキッチン
アイランドキッチン
Ⅱ型キッチン
腰壁のある対面キッチン
などがあります。
それぞれにメリット・デメリットがあり、どれが正解というわけではありません。
大切なのは、
キッチンの形から決めるのではなく、暮らし方から決めること。
そして、
排水。
換気。
収納。
通路。
冷蔵庫。
ダイニング。
照明。
素材。
までを一緒に考えることです。
対面キッチンは、
単に「キッチンをこちら側へ向ける工事」ではありません。
家族がどこに集まり、どのように料理をし、どんな時間を過ごすのか。
そこからLDK全体を設計することで、本当に使いやすいキッチンが生まれます。
「この物件、対面キッチンにできる?」からご相談ください
「中古マンションを買って対面キッチンにしたい」
「壁付けキッチンをアイランド型に変えたい」
「キッチンとダイニングをもっと使いやすくしたい」
「デザインだけでなく、動線や収納まで提案してほしい」
そんな段階からご相談いただけます。
リプラスでは、不動産・一級建築士事務所(SDA)・デザイン事業部「THE DAY STACK」・施工チームが連携し、物件探しからキッチン計画、設計・デザイン・施工までワンストップでサポートしています。
特に中古マンションをご検討の場合は、
買ってから「できなかった」と気付く前に。
物件購入前からお気軽にご相談ください。